JUN(中国語添削支援システム)

目次
プロジェクト概要

「中国語添削システム」

中国語のテスト問題の作成、添削、データの保存を行うWebアプリケーション。 紙媒体によるテストの結果を一つ一つExcelファイルに手入力する従来の手間を、大幅に軽減することができる。

『JUN』イメージ

『JUN』イメージ

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開発の背景

重松先生は中国語のテストを行って、その結果の統計として、エクセルにデータを保存していた。そして紙媒体のテストの 添削結果をひとつひとつエクセルファイルに手入力していた。以下がその詳細な業務手順である。

  • 重松先生が問題を作成する。
  • 重松先生がテストとして印刷する。
  • 重松先生が中国語を履修している学生に配る
  • 中国語を履修している学生が問題集を解き、その回答を重松先生に渡す。
  • 重松先生が回答を回収した後に、全ての回答を添削する。回答を正解、不正解にわける。正解なら回答をそのままエクセルに、不正解なら、不正解の種類や回答に対するコメントと一緒に、回答をエクセルに直接手入力している。

この作業が面倒でしかたがないので、どうにかしてほしいとのことだった。

開発の目的

上記の問題を解消するために、重松先生がもっと簡易に添削を行って、データを残すことが出来るシステムを制作したいと考えた。

成果物
データ

メンバー

名前役割所属
鹿志村朋史PM株式会社アトムシステム
渡辺正毅学生メンバー環境情報学部4年
嶋村公志学生メンバー環境情報学部3年
水島俊一学生メンバー環境情報学部3年

メンバーの声

JUN参加者の声

スケジュール

開発スケジュール(実績)

開発スケジュール(実績)
MSProjectファイル・ダウンロード

ソフトウェアの規模

  • 全ステップ数(空行・コメント含む):1251

作業時間

週に2回、全員集まった時のみ3時間ほど作業していました。

  • 渡辺:78h(6h / 週)
  • 嶋村:78h(6h / 週)
  • 水島:78h(6h / 週)
評価

成果発表会の様子

中間発表会の様子1 中間発表会の様子2 中間発表会の様子3 中間発表会の様子4

評価委員からのコメント

  • 要求仕様に無かった機能が、実際には必要である事がわかっただけで、意義があったと思う。時間が限られる中での作業なので難しいとは思うが、クライアントに要求仕様以上の付加価値を提案できるともっとすばらしい。
  • 要求仕様は、難しいです。話では、簡単でもシステムにすると手間がかかる人間が簡単に行っている事がでもシステムとして考えると厄介なことが多々ある。手抜きをすると、拡張性が低くなる。情報をある程度収集されていないと、機能拡張が難しい、過去の情報が生かせない。

    ユーザの要求を正しく得るためには、如何にコミュニュケーションが取れるかにかかる。
  • 要求分析のモデリングは難しいですが、それを行うための技術を活用しておけば、認識のギャップを減らせると思います。今後の開発プロセス改善に活用できるようにノウハウを蓄積・後悔することが重要だと思います。
  • 重松先生との要求事項についての確認があいまいであった、という反省が述べられておりましたが、どのようにして確認をおこなったのでしょうか。一般的には外部設計書で確認をとります。外部設計についてのお客様(重松先生)とのレビュが不十分であったのではないでしょうか。
  • 中国語の試験の採点と学生へのフィードバックには十分使えるのではないか。もっと長文のリポートの採点、評価、返却などにも使えたら、他の講義科目にも広く利用できるのではないか。佐賀大学の大福帳システムと連携したらさらに使い勝手がよくなるような気がする。
  • 重松先生とのコミュニケーションギャップが浮き彫りになったのはGood!認知スキーマ(重松先生の言う文化)の違いがあることを想定して質問できるかどうか?違和感やヘン?という気持を早期に感じるのはセンスか?要求定義に参画するSEは様々な本を読み、幅広く深い教養をつけなくてはならない。テクノロジードリブンからビジネスドリブンに転換するのは至難。しかし、メンテで今後エンハンスできて行きそう。ユーザが使ってくれるのはありがたい。今後メンテ報告を聞きたい。
  • 要求仕様について
    (1)重松先生とのmeetingはXPのCustomer on siteで良い。
    (2)要求仕様を充分に完成することは難しい。次回開発項目として考えれば良い。
  • 前期そのままのチームであることによる「メンバー間の仲の良さ」は大きいと思います。キックオフのリスクを減らせるので。いつもながら学生のプレゼンはストーリー性があってよかったです。ユーザから高評価を得た、ということはすばらしいです。可能なことにふさわしいコンパクトかつ十分な機能にうまくまとめられていると思います。
  • プロジェクトメンバー間のコミュニケーションの重要性を認識された様ですね。
  • 最も難しいと思われたユーザ要求を上手く引き出し、システムをまとめられたのは立派でした。特に文化の違いによる用語の意味の解釈が違うことを学んだことは貴重な体験だったと思います。このことを忘れず、実社会でのプロジェクトに活かして欲しいと思いました。
  • ・前回の反省点を生かして、今回のプロジェクトにつなげている点で成長が見られた。

    ・特に、「重松先生に言われなかったので作らなかった」⇔「先生は当然あるものだと思っていた」というやりとりは、学生にとって勉強になったと思う。

    ・前回の経験から、開発対象を明確にすることが早い段階で出来、開発に集中できる環境を作ることができたようだった。

    ・悪い言い方をすると、小じんまりおさまり過ぎてしまった感がある。システムとして売りにできるような目玉のような機能を提案するようなことがあってもよかったと思う。
  • ・添削システムはテーマとしてはいいが、中国語よりは数学、物理など正解が一意の方がいいのではないか。

    ・注文主に評価をしてもらい仕様をつめられたのはよかったと思う。使い物になるシステムができてよかったと思う。(先生の工数削減の寄与)