取り組みの意義

教職員や学生に対して

今回提案する教育プログラムは、単に情報技術スキルの高度化を求めるのではなく、その技術を活用する目的への強い関心を引き出す仕組みが内包されています。 そのため、多様な研究領域に属する教員たちが本プログラムに強い関心を抱き、同時に学生たちの新たな知的好奇心をも誘発します。 従って、本プログラムは、カリキュラムの再編成にあたって非常に重要な位置を占めることになります。

また本プログラムは、産学連携のプロジェクト実践であることから、企業インターンシップ以上に価値あるものを学生に提供します。 50人程度のクラスで、1プロジェクト5名程度の学生が若手企業人と協働してプロジェクトの成果をあげ、 最後にはコンペによって優劣が明確になり、実社会への眼が養われることから、学生にとって非常に望ましい効果が期待できます。 このような産学連携のシナジー効果は、新しい情報教育の可能性を拓き、次世代の有能な情報技術者を数多く輩出するでしょう。

社会貢献と標準化

本プログラムは、本来的に社会との密接な関係を前提にして実施されます。具体的な社会的効果のひとつが社会貢献です。 プロジェクト評価委員会によって優秀と評価された成果は、社会的な価値を持つと認定されたことに等しいですが、本当に価値ある成果であるか否かは、 それが社会に公開され、実際に活用されてはじめて判定されることになります。「教育が社会的効果と連結しない限り、教育の価値はない」ということが本プログラムの特徴です。 従って社会貢献という社会的効果を目指して、プロジェクト実践教育がなされることが本プログラムの真の姿であり、産学連携が目指す本来の教育方法と言ってよいでしょう。

標準化という視点でも、大きな社会的効果が期待されます。本プログラムは、外部評価委員会によってコラボレイティブ・マネジメントの教育手法の有効性が評価され、 標準化される場合には、大きな社会的影響力を発揮するプログラムとなります。だからこそ本プログラムは、外部評価の仕組みを組み込むことが不可欠です。 ここでも社会的効果と連結しない限り教育の価値はない、という姿勢が貫かれています。