参加者の声

学生の声(一部抜粋)
顔写真(野上)

環境情報学部4年
研究会所属3期目

所属プロジェクト:satoimo

野上大輔

今期はコラマネの限界を勝手に意識しました。学生は開発のみならず他の課題もこなす必要があるので、無意識に開発を出来る限り小規模で済ませようとしてしまうのでは、と考えました。コラマネの経験が長いほど、終盤の厳しさを知るだけにこの傾向が高いのでは、とも考え、これが学生プロジェクトの限界だと思い込み、モチベーションの維持が難しかったです。しかし、最後に行ったグループ開発はやはり楽しく、また、納品時にクライアントに好印象を頂いたことで、そうした悩みよりも苦労が報われた充足感が大きいです。システムを卒業後も使い続けて欲しい、という1期目の感覚が蘇ってきたのが嬉しかったです。


顔写真(安藤)

環境情報学部4年
研究会所属3期目

所属プロジェクト:4hands

安藤亮一

今期最も苦労したのは、文書の作り方であると思います。クライアントが今までのようにITに通じている人たちではなかったため、システムに関する情報を伝えるときには、いかにして相手にわかるように伝えるか、ということでかなり悩まされました。画面仕様書にしても、内容の簡潔さはもちろんですが、それ以前にこの文書が一体何を説明するものなのかという部分を全く説明していませんでした。そのことから、今までに文書を作成するときは、文書そのものの説明などをばっさりと省いていたことに改めて気づかされました。今後、読み手のことを考えた文書作成を心がけていく良いきっかけになったと思います。


顔写真(橋山)

環境情報学部4年
研究会所属4期目

所属プロジェクト:さうんど おんりぃ

橋山牧人

今回のプロジェクトでは、PMの補佐を行うことを自分の中の目標としました。メンバーの中ではもっともプロジェクトの経験があったので、率先してコミュニケーションを取ったり、ミーティングなどで提案をしたりすることで、この目標は達成できたと思います。今回、PMBOKを取り入れてプロジェクトを進めてきましたが、結局PMBOKは私達が今までプロジェクトを通じて行ってきたことを体系化もので、何も特別なことをやっていないということが分かりました。しかし、プロジェクトにおける当たり前のことを一から見直すことによって、より計画的に効率良くプロジェクトを進めることができました。


顔写真(佐藤)

環境情報学部3年
研究会所属2期目

所属プロジェクト:さうんど おんりぃ

佐藤俊之

今回のプロジェクトを通じて、さまざまな財産を得ることができました。私はこれまでチームでの開発経験は浅く、 プログラミングも得意な方ではありませんでしたが、豊富な経験を持つPMや先輩履修者の適切な指示やアドバイスを受け、 一連の作業をやり抜くことができ、またプロジェクトの流れやその管理方法といった知識を身をもって教わることができました。 何より、ソフトウェア開発の現場に携わることができ、その酸いも甘いも経験することができたということは今後の人生における 貴重な財産になるはずです。最高に充実した半年を送ることができたと思っています。

PMの声(一部抜粋)
顔写真(菊地)

株式会社インテム

菊地徹也さん

私がコラマネに参加したことで得られたものは、システム開発の手法を知ったことです。例えば、ゲーム開発では設計書を作成することがほとんどないため、開発の引き継ぎを行う場合は、引き継ぐ人が現在の状況を自分で調査する必要があります。前の開発者がどのような意図でプログラムを組んだのかは話を聞かなければわからないし、ソースを読むのにもそれなりの時間はかかります。ゲーム業界の人間がシステム開発の手法を少しでも知っていて必要な資料を作成すれば、もっと効率的に開発の引継ぎが可能ではないかと感じます。また、WBSはゲーム開発にも利用できそうなので、現場に戻って早速取り入れたいです。


顔写真(江木)

大手IT企業

江木典之さん

私がコラマネで学んだことの最も大きなことの一つは、プロジェクトの状況をメンバーが共有することの重要性です。今回は推敲フェーズで発生した遅れを取り戻すために、サービスインからクリティカルと思われるタスクを逆算することで、現在プロジェクトの状況はどのくらい危機的なのかをメンバーで共有しました。計画立案時にプロジェクト計画の説明をチーム内で実施したが、単にプロジェクト計画を見せるだけでは計画を共有したことにならないことを実感しました。PMは、自身が作成したスケジュールであるため重要なマイルストーンを認識しているが、それをメンバー間で共有することが大変重要です。



顔写真(中川)

M株式会社
ネットワーク・セキュリティ技術部

中川誠さん

今までとは環境が変わり、企業ではなく学生が相手で、楽しかったです。学生も熱意のあるメンバーでした。企業内では見つけることができなかった、教育の大切さを発見することが出来ました。苦労した点は週1回しか会えないところです。メールや電話でコミュニケーションをとるようには努力しましたが、1.5時間しかないミーティングでは、「あとは残業で頑張って」と言わなければなりませんでした。 今後、この活動に参加する人は、積極的に発言すると良いです。ここは温かい場なので、沢山発言するべきです。またPMとしてくる以上、PMとはこんなものだ、という事前知識はあったほうがいいと思います。


顔写真(細田)

株式会社アトムシステム
本社システム開発部

細田良平さん

この授業に参加することで「PMが思った以上にプロジェクトが進まない」という感想をもてた事が、 私としては今回得た経験で一番大きな収穫だったのでは無いかと感じています。 学生・PM共に失敗から非常に多くの事を学ぶ良い機会になりました。次回プロジェクトを管理する立場に 立つことがあればプロジェクトの先導者としての意識を持って、本当に必要なソフトウェアを考えながら プロジェクトを成功に導ければと思います。



評価委員の声
顔写真(戸並)

戸並コンサルティングオフィス代表

戸並隆さん

ここで学生が行うのは小さいプロジェクトです。しかし、問題の複雑性は違いますが、問題の出現は本物のプロジェクトと同じでした。 要件が決まらない、メンバー間のコミュニケーションギャップ、要員の急な入院、能力の差、スケジュール遅延、品質の劣悪さ、 当初目的を満足できない成果物、仕様変更、要件に興味がない時とある時の要員のモチベーションの差、プロラミング力だけではプロジェクトを回せない、 感じるセンスと気づき、プロジェクトが中々立ち上がらない、パーキンソンの法則(リソースを使い切る)、デッドラインエフェクト... ここにこの実証プロジェクトの価値があると感じました。問題が出てナンボです。問題が解けなくても良いのです。問題解決より問題発見です。 最初の試行で50点以上とれたら大合格です。ダンダン良くなる法華の太鼓です。彼らが気づきを貰ってテクノロジーの学習をします。如何に活かすかのスタンスで聞けば、単なる知識修得に比べ物凄い効果です。


顔写真(三宅)

三菱スペース・ソフトウエア株式会社
取締役社長

三宅道昭さん

「実務的なことは企業でやるから、大学でしかやれない基本的なことを教育すべし」との見解もありますが、基礎教育と実務教育に明確な線引きがあるわけではなく、 大学と企業の重み付けの差でしかありません。基礎的な教育は大学だけでなく企業に入ってからも「繰り返し繰り返し」「階層ごとに」「必要とされる都度」 原点に戻って継続されなければなりません。かかる制約を産学の両者が理解した上で、大学教育の実験としてプロジェクトを実施することは、 学生の実践学習としても、企業派遣の若きPM候補者の体験学習としても価値があります。



顔写真(HT)

大手IT企業I社
プロジェクト技術担当

H.T.さん

大岩先生の(1)最初に正しいことをきちんと教える(2)大学にしかできないことをやる、という教育理念に共感します。 この実践プロジェクトは、「工学として、(ある程度)確立された”ソフトウェア工学”、”プロジェクトマネジメント”を大学で、 実践とセットできちんと教え、重要性を気づいてもらう」というところに価値があります。学生にとっては、 小さいながらもプロジェクトをフルスコープで実施したことで様々なものを得たようです。プロジェクト・マネジャーにとっても、 コミュニケーションの重要性、プロジェクトマネジメントの重要性を認識する効果が出ていることが、発表から読み取ることができました。



顔写真(神沼)

埼玉大学大学院
文化科学研究科
非常勤
学術博士

神沼靖子さん

物造り教育と社会人のPM学習という異なる側面を併せ持つプロジェクトです。学生は設計から実装までを体験し物造りの基本を学びます。 チームの役割分担から責任感と協調性を学び、全体討論では異なる手法に触れることができます。困難を乗り越えて完成する喜びは大きな自信に繋がるでしょう。 大学におけるPM体験では、適切な進捗管理とリスク対応がプロジェクトの成功を左右することを学びます。メンバーのコミュニケーションとモチベーションの維持は不可欠です。 PMの必要性と役割に関する予備知識を持って参加し、高い目標を達成して欲しいです。


顔写真(菊島)

(株)アイネス

菊島靖弘さん

前回から参加していますが、学生さんの発表は、格段によい内容になってきました。企業で受け入れる側に立ってみると、考えなければいけない視点を多く身に付けて入社してくる点、大変指導しやすい人材になるかと思います。 一方、小さな成功が、大きな失敗のもとになる人もたくさんいます。学生さんが一つの経験を大きな飛躍につなげるためには、決め付けや思い込みを排し、謙虚に柔軟に広く物事を見る訓練も必要と思います。その点、プロジェクトを通じての先生方の指導は的を得たものと感じました。この教育が継続、発展していくことを願っています。



顔写真(原)

ジャーナリスト

原淳二郎さん

産学共同の新たな試みとして評価できる。第三者の評価を取り入れたことが学生、PM双方の動機付けにも、使える情報システムの開発にも役立ったのではないか。情報分野において、産業界は大学教育のレベルの低さを嘆き、大学は情報関連卒業生の産業界における待遇の悪さを嘆く。今回の授業は、こうした産学の相互不信による悪循環を断ち切る試みとしておもしろい。情報教育だけでなく他分野でも試みたらいいのではないか。全体評価を4としたが、こうした試みが短期間で終了することをマイナス1としただけで、継続してこういう教育ができるのなら、5をつけてもいいと思う。


顔写真(古瀬)

三菱スペース・ソフトウエア

古瀬慶博さん

情報教育の場として、学生に対する教育としては最も効果的な環境であると評価できます。ソフトウェアの価値は、最終的にそれを使うクライアント(顧客)を満足できているかです。これまでのソフトウェア教育でも言葉の上では重視されていたかもしれませんが、開発のプロセスで発生するさまざまな葛藤を解決する体験はできなかったと思います。コラマネはこれを最初に乗り越えることができた新しい教育方法を具体化したという点からも、大変評価できるといえます。



顔写真(小川)

株式会社CIJ

小川泰子さん

PM派遣を行っている企業側の人間としては、「若いリーダーのPM実践の場としての有効性」に期待したいと思います。多忙な業務を抱える中、週1のミーティングとメールのみでメンバーを率いて、プロジェクトを成功に導くということは非常に難度の高いマネジメント体験の場です。 このような環境で、若いPMには、多くの気づきを得て現場で活かして欲しいと思います。