現代GP 評価委員会 議事録
平成17年11月11日 16:00-17:30
出席者:大岩 元(慶応大学、プロジェクト責任者)
松澤 芳昭(慶応大学、コーディネーター)
他 評価委員13名
<評価委員会におけるテーマ>
この授業をよくする方向での議論をしたい。
評価委員会でのフィードバックを元にカリキュラムを改善していくつもりである
<この教育を広めるために>
- インセンティブ
- 採用の条件に「プロジェクト型の開発業務に携わったことがある」と入れるのはどうか
- 企業としても意味がある。ただ、特定の講座であればいいが単純にプロジェクトというと品質が計りにくいので、インターンシップなどと併用するとよいと思う。
- ベンチャーから見ればこういう例を一つ採用基準とするのはいいアイディア
- この教育の評価
- うちは一人お世話になっているが、教育として見ると有効。
- うちの派遣したのは2年目、教育を受ける側。それがプロジェクトを引き受け、回すのは基本的にはありえないがそれをやっていただけると企業としてはありがたい
- そこで得た経験・知識は役に経つ。プロマネの視点でものが見れる。無給でもうちとしてはペイできる。
- PMの育成
- 会社の看板を背負っていると感じがしている。
- 若手技術社を出して、それを中心としてプロジェクトをやっていくのはいいが、非常に思い通りに人が動かないといって、勉強になる。
- 経験者ではなく、未経験者でいいのか?
→それでいい。その代わり、それに耐えられるような人出してください。
- 専門家からすれば文句はあるだろうけど、そういうのを含めて体験して、上の立場を体験できる
- 大学なんかは失敗するためにある。
- 失敗、もその理由ではなく、もう1回やってみましょうってできるのが成長したかが問われる所。
- 素質のある、会社のPMとして育てたい人材を出してください。PM経験は問いません。プラクティスは企業でできる。PMのマインドが実感できてお返しする。
- 学生の育成
- 学生がこうした教育で得たスキルは実社会に出てわかる。
- ただし、どういうことの勉強が必要だったか、自分に不足していたスキルなどのレポートがなかった。
- それを学生に質問する。東條さんの質問があったが、それを聞く、どういう答えが帰ってくるか、抽象的(例;コミュニケーション)とかだと結局わかっていない。それを引き出す評価・質問方法が必要だと言う気はしている。
- 広げるための方法
- 北大があったけど、琉球大学も同じ。来年度予算がない。学部長やる気がない。就職に関係のあるものに6単位もやる気がない。私立大学はもっとやる気がある。私立大学は就職率という要素があるから。
- 地方の私立大学で規模のある企業でやるのはとびつく。(企業)外圧から来るとようやっと重い腰もあがる。スパイラルにして大きな波、うねりにしないと動かない。最初は平べったいけど、層を作っていかないといけない。こういった実務的なムーブメントとする下地は揃っている。
- 産業界も補助金が出ないといけない。
- 不良資産を抱え込んでいるような状態だからそういうことになる。この業界はどうすればちゃんと自立するべきか、自立する方向に使うべきだ。継続の可能性がどれだけあるかということが審査で物凄く言われる。
<大学と企業の現状>
- お互いを見ていない
- 大学と産業界がお互いに相手をよくわかれる土壌を作る。会社のメリットもあるが、投資として妥当かどうかわからない。こういったものを広げるために産業界がそれをどうやって応援していくのか? (毎週90分大学の社員を派遣する、無理だと言われた。できますといった(笑))
- アルゴのような100-1000人のでこの業界を支えているような企業が頑張らないといけない。実はモノつくりを支えている。
<プロジェクトの成功>
- 最初のキックオフの時に審査すればいい。最初から失敗パターンを選んでしまう場合もある。失敗パターンも評価できるといい、まずいなと思いながら見ていった方がいい。最初のPMをトレーニングするという目標をきちんと見ておく
- チームをうまく作るのが大変それでもチームが最初から失敗を見通せるような計画を立てさせるのが大変。
- キックオフしたときに発表させて、成功率を決めればいい
→それも難しい。何が成功かもプロジェクトごとに異なる。企業のようにできるわけではない。
- 終わったときにどのチームも何か作れましたという経験が欲しい。それができるようにチームをうまく組む事やりたいことをちゃんとやらせる、できあがるように経験の差をカバーする。バックアップ体制を作る。
- 最初のチームフォーミングが非常に大変
- 今言ったようなことは、評価基準の作り方からして統一しようがない。
- 満足した人間がどれくらいかで成功を計るしかないかな
<この教育のスコープ>
- 今はモノ作りに偏っている。実務型と考えると、開発だけでなくレビュー、試験の工程の請け負うといったやり方もあるのではないかと言う気がしてくる
- プロジェクトとしてモノを作りたい。スコープの定義によって話が発散しかけている。あるモノをちゃんと作って、ユーザーがいて、評価してくれるという所までをやりたい。
<地方自治体の招聘>
問題は企業、大学だけではなく問題は地方自治体でしょ?地方自治体からも集める?
地方自治体も大いに結構。だが、地方自治体にどれだけその能力があるか? 藤沢市なんかは結構やる気だけれども。
<学生がやりたいこと>
- 非常にpassive。与えられたテーマをやるだけ。こんな事をやりたいってのを期待している。
- チーム決めの時に苦労した、どんな事をやりたいかを聞いた。あまり身のある回答、なんとなくが多かった。のおとの発表の彼はいい。しかし半分以上が技術力をつけたいから。
- それは小学校の教師が悪い。あれが一番の元凶だ(笑)
- 岩手県立大学では教育研究融合型。1年から研究室に放り込む。みんなが関わっていく中で基礎的なことを自由に学ばせる。テーマを決めるのに3ヶ月かかるが2年半の中なので、悩んでいるものついては紹介して見させる。それでもどうしてもできないのも僅かにいる。ある程度先生がsuggestionする。情報処理学会の奨励賞は8人ももらっている(去年)。そこまで実績あげたが、彼らのモチベーションが非常に高くなった、毎年プロマネをしている4年生も研究室のマネジメントをしている。それを外から先生が見てる。
- 岩手県立大学は非常に恵まれていて、一年生からそれを教育している。佐賀大学は大学としてはあまりできていないが、意識の高い学生だと学内でいろいろな活動をする。NPOを作る、任意団体を作る、コミュニティサイトを運営する。
- 当社でも近い研修があるが、プロジェクト型?開発演習?昔は新人に勝手にテーマを決めさせていたが、やれる事も決まっていた。オープン系になって、限りなくいろいろなシステム形態になると自由に選ばせるのはやめさせた。
<企業の型>
- 企業だと型に押し込める。今回はあまりそうではない。PM像などにしても違う(管理技術のOJT)もやもやとした失敗の中から学んでいく?
- 今は開発プロセスも全部違う。学生としては他のプロジェクトも気になると思う。いろいろな視点で見られる。