最終結果

評価の推移
評価委員による総括文

学術界からの総括文

  • ・報告会には,クライアント,PM,学生と一同に会し,有益 ・本プロジェクトは充分な成果を出しているので,是非予算化し,SFCの売物とすべきです.それが出来なければ税金を投入した意味がないです. ・大岩先生は歴史に残るいい教育をされました. ・評価委員として,参加出来て良かったです.大岩先生とドクターの松澤さんに感謝します.
  • ITは近年,社会,企業活動の中核となり,開発,運用が経営に与える影響が大きい.東証や銀行システムの総合的にトラブルはその実例である.ここで行なわれているPBLは実社会で起きていることのプロトタイプであり,これを実体験する事の価値が大きい.大学教育の科目としてオーソライズしていくおよび履修者が社会へ広報していく事が重要かと思います.
  • コラボレイティブ・マネジメント型情報教育は,産業界のPM(Project Manager)と慶應大・環境情報学部の学生がプロジェクトを組み,人に使ってもらえるソフトウェアの開発を目指し,かつ学生に気付きを与える場を提供するという趣旨で行ったPBL(Project Based Learning)です.この活動の全体を企画し,大学と企業の協力体制を構築された大岩教授,PBLの実施を統括された松澤氏,社員をPMとして派遣された企業,PMとして派遣された技術者,ソフトウェアの要求定義や開発に努力した学生,発注者として協力された方々,それぞれの努力に敬意を表したいと思います. 本取り組みは,上記で挙げた多くの関係者の努力にも関わらず,いくつかの問題点を抱えていました.本総括文は,そういった問題点の指摘を通じて,慶應大学や他大学等でコラボレイティブ・マネジメント型情報教育を継続する(または新規に立ち上げる)際の参考にして頂きたいとの意図で作成しています. 取り組み全体に対する評価が3になったのは,慶應大・環境情報学部としての本プロジェクトへの支援の弱さと,教育システムとしての整備の問題があったためです. コラボレイティブ・マネジメント型情報教育は学生に対して気付きの場を与えるのが主要な目的でした.実際,自らの知識不足や理解不足に気づいた学生はたくさんいました.また,PM経験者からも,「学生が知っておくべき知識が不足している」といった意見が寄せられていました.本来ならば,そうした学生をフォローアップするための授業科目が開講されており,学生はそれらの授業と本PBLを並行して(ないしは交互に)履修しながら学習効果を高めてゆくのが望ましい教育方法です.しかし,慶應大・環境情報学部がそのような体制を取ることはありませんでした.その意味で,フォローアップ体制には問題が残りました.学生に対する教育という視点からの評価が4になったのも,この点を考慮したためです. 第二の問題は,コラボレイティブ・マネジメント型情報教育のシステム化です.本PBLは大岩教授の研究室が単独で行っているプロジェクトであり,まさに個人に依存した取り組みです.現代GPプロジェクトは,個人に依存するけれども教育上有益な取り組みを,その教員が定年等でいなくなったとしても継続できるように,また他大学にも適用してスケールアップできるようにシステム化することが重要な目的になっています.慶應大・環境情報学部は情報専門教育を行っている教育機関ではないので,学生のフォローアップ体制を充分に取ることはできませんが,全国には情報専門教育を実施している大学が多くあります.そうした大学にこの仕組みを適用することができれば,日本の情報技術者育成にとって重要なステップとなることが期待されました.しかし,大岩研究室の単独プロジェクトであるが故の人手不足も災いし,PBLの実施だけで手一杯になってしまった観があります.結果として,教育システムとしての整備が遅れてしまったことは残念です. なお,「人に使ってもらえるソフトウェア」という目標を掲げるのは,学生に対する動機付けとしては良いことですが,リスクもあることを指摘しておきたいと思います.特に,システム開発に成功して発注者から一定の評価を得たプロジェクトの場合,発注者としては継続的にそれを使いたいと考えるでしょう.しかし,学期毎にプロジェクトチームは解散してしまい,次の学期にプロジェクトチームが結成されたとしても,同じ学生がメンバーになるとは限りません.そのため,完成したシステムに対する継続的な保守(特にバグ対応)を約束することはできません.また,プロが受注するシステム開発とは違い,システムの完成を約束することはできません.そのことを発注者が理解すれば良いのですが,(多くの場合には専門家でない)発注者がそういうリスクを理解するかどうかは疑問です.コラボレイティブ・マネジメント型情報教育の運営者は,そういった点の周知も含めた上で発注者を探す必要があります. 当初,コラボレイティブ・マネジメント型情報教育は,PMに対する教育を意図したものではありませんでした.しかし,毎学期の改善を通じて,PMに対するフォローアップ体制がある程度整備されたのは評価したいと思います.しかし,本格的なPM教育としては,質・量ともに大幅に不足しているのは指摘しておく必要があります.しかし,そのような高い目標を掲げた系統的教育システムは,情報専門教育を行っている大学の大学院課程と,IT企業が組織として密接に協力しないと構築できないと考えられるので,大岩研究室の単独プロジェクトとしては良く努力されたと考えています.
  • 「象牙の塔」であった大学が,産学連携や,地域連携,高大連携と,さまざまな連携活動を行なうようになって久しい.本プロジェクトも産学連携によるPBL型情報教育として提案,実践されたものである.わたしは,こうした連携による教育においては,「骨格」すなわち「教育のねらい」がしっかりしていること,中身が「本物」であること,そして,優秀なコーディネータがいること,が成功の秘訣であると考えている.そうした視点からも本プロジェクトはたいへん優れたものと評価すべきであり,とくに,「ひとに使ってもらえるソ フトウェア」という問題設定は,まさに「本物」であるといえる.おしむらくは,PMに対する教育が不十分,というより,PMに要求される活動内容がきびしすぎるように思える.「新人」PMが本プロジェクトに参画することで,PMとして必要な能力を身につけていくという部分に対する穏当な仕組みが望まれる.
  • 先ず,教育方法の分析に関してコメントしておきます.1期,2期,3期と少しずつではありましたが教育方法の改善ができたと思います.その効果は成果報告にも現われています.上手くいった最大の理由は,多くの学生たちが,繰り返し,この授業に参加し,前の経験を活かしながら学習できたからだと思います.繰り返し履修の方法は,教育方法論の確立にも有効だったと思います.PMも学習者も全部入れ替わる場合には,その時の受講者の特性が,成果に反映されますので,その影響を配慮して方法論を評価する必要が発生します.このため,改善したのが良かったか否かの分析はより複雑になり,3回の試みで方法論を評価するのは困難だったと思います.  次に,目標設定の妥当性について述べます.一人よがりのシステム開発では,目標レベルを下向きに修正変更するケースが多いので,学生のスキルが向上したかを評価するのが難しいのですが,本プロジェクトではクライアントが居たことで,勝手に目標を下げることができなかったと考えられます.その意味で,製品の品質を維持することへの努力が見られ,全チームとも最後まで頑張ってくれたと思います.「クライアントやエンドユーザに使ってもらえる」という目標設定は,大変よかったと思います.  最後に,企業でいうコストに相応するものを,誰もが認める形で,教育システムで定義したいと思っています.

産業界からの総括文

  • メンバーがPMとして参加させていただいたご縁で,今回の発表に出席させていただきました.通常の業務と異なる点も多く,本人もいろいろ悩みながら進めていましたが,そこでも試行錯誤やいろいろな気付きのきっかけとなった点,先生方や他のPMの方との人のつながり,学生の方の高いモチベーションからの刺激,等々,たいへんよいものをいただけたかと思います.本発表を聴講しただけでも,社内や同業者と違った視点を感じ,興味深い点が多くありました.また,リアルな顧客での開発という点,教育として大きなメリットを感じます.関係者も多く,目標の意思統一や方向性の明確化など,難しい点も多いかと思いますが,是非今後も継続をご検討いただければと思います.
  • 第一回と今回拝聴いたしました.第一回では成功/失敗がはっきりとしておりましたが,今回はスムーズな発表が多く,コラマネという教育自体も成長していると感じました. 私自身が今回感じたのは,以下の2点です. ??やはり反復型が有効で,WFは駄目なのかな. ??4handsプロジェクト後の”たかくさき寮術院”様のコメントに感銘を受けました.産学連携に,民を加える必要があるのでは? 現在私は社内で,PMITのPMメンタープログラムの事務局をしています.次回のコラマネ報告会には,一人でも多くの社内PMPを連れてこようと思います.失敗プロジェクトも期待しています. 今回”楽しく徹夜した”学生がいた様です.その様な学生に,会社に来て欲しいと感じています.
  • 開始当初は,運営側,PM,学生,評価者全てが不慣れであったために,プロジェクトとしての型を成すのかかなり不安があった.特に??期目については,プログラムを完成させる事が目的になっている感があり,教育効果もいま一つであったように思う.??期目に入って,クライアントの要望を実現する事にし,目的を明確した事によりより本格的なプロジェクトとして実践的な内容になったように思う.??期目には,より高度化して,プロジェクトが実施されている.ここまで来たからこそ感じるのであるが,実際に業務として行なうプロジェクトでの制約(費用,期間,人員,スキル)の上で,正しい判断が出来るようになって欲しい.中途半端な知識と経験で実務を行なうと,逆効果になる場合がある.そこまで望むのは過大な期待ではあるが.
  • モノ=造形には古くから存在価値がありその機能や役割が明確になっています.ところが,ソフトウェアというのは同じモノであっても(私はそう思いたい)本質的には触覚(や視覚に)直接触れる質的な全体がないため,無形の知的創造物のように思われているようです.その哲学は別として,本来の目的である「使ってもらえるソフトウェア」をつくるプロセスを意識的に学ぶことは大学という知的環境で行うことこそが相応しいと感じていました.その意味で,コラマネの特徴はこの点を充分意識した学習環境(資源)を具体化できていると評価します. 情報教育の場として,学生に対する教育としては最も効果的な環境であると評価できます.特に最終報告で学生の方が感想を述べている「魔力」という経験からでた言葉に集約されているようにも感じました.ソフトウェアの価値は,最終的にそれを使うクライアント(顧客)を満足できているかです.これはこれまでのソフトウェア教育では言葉の上では重視されていたかとおもいますが,開発のプロセスで発生するさまざまな葛藤を解決する体験はできなかったと思います.コラマネはこれを最初に乗り越えることができた新しい教育方法を具体化したという点からも,大変評価できるといえます. 一方,将来へ残された課題としては,プロマネに対する教育ではないかと思いました.ただしこれは,コラマネを実践することで結果的により具体的に見えてきたという意味で,コラマネそのものの当初のゴールから達成できなかったという意味ではありません.ひとつは,プロジェクト開始時点の状況設定(クライアントとの利害関係や開発の大きさ,開発内容の新規性,継続性)の多様性の問題であり,もうひとつは,プロジェクトを進める物理的な場の問題(時間的,空間的共有の制約)のように感じました.これらは将来的には体系立ててこれらの問題のマトリクスが展開され,コラマネの位置づけが明確になればよいと思います. 将来的にはプロジェクトマネジメントをコンサルテーションするような分野への発展に貢献することを期待したいと思います.特に日本がマネジメントを現地に委託しそのコンサルテーションで協力するようなソフトウェア開発の人材を輸出できることで,威力を発揮してほしいと願っています. 最後に,学生のみなさんへ; (以下は評価コメントではありません!) 1年半の学習の範囲外のゴールだったかもしれませんが,造ることへの内的な動機と外的な社会的な貢献との距離感を実感されたのではないでしょうか.距離感を持つことは大切だと思います.私の考えでは距離感を初めて掴むときには成功を体験することが必要となります.そして次には失敗することで質的に違うレベルへステップアップしてください.予測外の問題や,さまざまな制約下で問題解決を行うことは,なにもプロマネだけが必要なことでないことは「気付きの場」として体験されたことでしょう.この体験を生かして,社会に役に立つソフトウェア開発をみなさんの手で,支えていくことを,熱く期待しています.
  • 産学共同の新たな試みとして評価できる.第三者の評価を取り入れたことが学生,PM双方のの動機付けにも,情報システムの開発にも役立ったのではないか.情報分野において,産業界は大学教育のレベルの低さを嘆き,大学は情報関連卒業生の産業界における待遇の悪さを嘆く.今回の授業は,こうした産学の相互不信による悪循環を断ち切る試みとしておもしろい.情報教育だけでなく他分野でも試みたらいいのではないか.全体評価を4としたが,こうした試みが短期間で終了することをマイナス1としただけで,継続してこういう教育ができるのなら,5をつけてもいいと思う. 学生にとっては,モノつくりのおもしろさを知る機会が得られたこと,第三者が自分たちの仕事をどう見ているのかを知る機会が得られたことが,貴重な体験になったはずである.なぜ勉強するのか,動機が明確になったはずだ.試験や単位しか勉強の目的が持てない学生が多い中,こうした体験は,プロジェクトの成功不成功より貴重な経験である.プロジェクトマネジャーにとって,業務命令のきかない学生をどう動かすか良い体験になったという意見があったが,学生には単位を取るという動機があるので,必ずしも企業内で開発する場合より強い動機付けが必要になるとは思えない.ただ,開発の目的,仕事のおもしろさを学生にきちんと教えないと,学生は動かない.仕事の意義をきちんと説明できるプロジェクトマネジャーこそ,企業内でも求められているのだと思う. このプロジェクトで大学,産業界どちらがトクをしたか数値で示すことはできないが,プロジェクトマネジャーの育成,大学との協調,第三者の評価を聞けたことなどの面で,産業界がより多くのメリットを享受できたのではないか.第三者の評価委員にとっては,労多く益の少ないボランティア活動みたいなプロジェクトだったが,私を含め日本のソフト産業の危機を救わねば,という使命感からお手伝いをした人が多いと思う.公的予算がついているから第三者の評価が必要なのではなく,多くの人に使ってもらう情報システムの開発だからこそ,第三者の評価が必要なのだということを政府は理解すべきだと思う. プロジェクトごとの評価は今回は遠慮します.前回までにあらかたいってあるからです.ただ,共通して言えることは以下の通りです.SEにとって高い日本語作文能力が必要である,と気づいた学生がいたことは高く評価できる.日本の教育で最も欠けているのは,日本語できちんと質問し,きちんと文章に表現する訓練だとかねがね思っていたが,文科省,教育再生会議は,あらためて日本語教育の重要性を肝に銘じるべきだ.日本語はSEのみならず,あらゆる職業人に必須な能力でありながら,軽視されてきた.読み書きそろばんといわれながら,読み書きは漢字の読み書きくらいしか教えない.作文の指導を受けた経験のある学生はほとんどいないのが実情だ.相手の話をきちんと理解し,他人にそれを正しく伝えられる能力,つまり作文能力こそ,職業人には求められている.大学で教育するには遅すぎるのだが,これを機会に改めて訴えたい. もう一つは,情報システムのユーザーはだれかという問題である.発注者がユーザーであることは間違いないが,開発されたシステムを利用する人が実は最終のユーザーである.このことに気づいた学生がいた.これも評価したい.情報システムは得てしてシステム部と開発側の了解だけでつくられるが,最終ユーザーのことを常に頭に置いて開発することが求められるからである.
  • 日本のIT教育の問題点にダイレクトにアプローチした活動であり,非常によい試みであったと思います. 私はPM,評価委員として本活動に参加させていただき学生たちとふれあう時間を多く得ることができました.学生たちとのふれあいの中で感じたことは,PBL教育を受けた学生たちは,(基礎知識+ある程度の実践能力)を身につけて社会に出ることができることを確信したことです.学習をしていない企業人は,危機感を持つべきだと思いました. 一方,PM教育及び企業人に対しての問題という観点では,まだまだ工夫する余地があると思います.大学の活動なので,学生中心の視点となることはやむを得ませんが,企業人PM教育にウェートを移し,もっと企業からバックアップを得られる活動にしていくことが課題であると考えます. 本活動の今後に大きく期待します.
  • 前回から参加していますが,学生さんの発表は,格段によい内容になってきました.企業で受け入れる側に立ってみると,考えなければいけない視点を多く身に付けて入社してくる点,大変指導しやすい人材になるかと思います.一方,小さな成功が,大きな失敗のもとになる人もたくさんいます.学生が一つの経験を大きな飛躍につなげるためには,決め付けや思い込みを排し,こんなものだ…という安易な判断にならぬよう,都度,戦術的には,謙虚に柔軟に広く物事を見る訓練も必要と思います.その点,プロジェクトを通じての,先生方の指導は的を得たものと感じました.この教育が継続,発展していくことを願っています.
  • コラボレイティブ・マネジメント型情報教育(以下「本教育」という)は,3期1年半の活動の中で学生の著しい進歩が見えた点がたいへん素晴らしかった.これは,繰り返し参加した学生に特に顕著に感じられたことであり,プロジェクトマネージャ(以下「PM」という)が1期だけの経験に留まったため,本教育で得た「気づき」が実務にどのようにフィードバックされたか,またPMとしてのスキルがどのように向上したかが分からなかった点がPMに対する教育という観点からの評価を1つ下げた理由である. 1期では大半のプロジェクトが失敗であり,2期では成功プロジェクトもあり失敗プロジェクトもありとなって,3期ではほとんどが成功プロジェクトであったと思う.2期の学生レポートには「また失敗」という言葉が書かれていたが,その学生も3期のプロジェクトは成功したと感じていて表情も晴れやかであったことが印象的である.失敗プロジェクトからは真に学ぶ事があるが,自信は成功プロジェクトによってのみ強化されるので,学生は両方のプロジェクトを経験することが大切である.繰り返し参加することによってそれぞれのプロジェクトを経験できる,あるいは運営側が意図して経験させる,この教育の仕方は手法として優れたものである.その分,運営側の努力も大きなものがあったと推測するが,その苦労は十分な成果として還元されている. PMに対する教育としてみた場合,リーダーシップスタイルの点で懸念を持っている. プロジェクトメンバーが高いスキルを持つと共に自立している場合には,プロジェクトが成功のうちに終える可能性が高い.この時には,委任型のリーダーシップスタイルをとったPMの方がメンバーの満足度も高くなる.ここで重要な事は,PMが意図して委任型のスタイルをとったかである.プロジェクトメンバーのスキルと意欲は様々である,PMがその場に合ったリーダーシップスタイルをとるように動機付ける事も重要である. 本教育では,プロジェクトが失敗しても教育的な効果が認められれば良いと言われるが,本当は教育的な効果のためには(運営者側が)プロジェクトを失敗させる事ができる事ではないかと思うこのごろである.
  • 2006年度春期の途中から参加させて頂きましたが,中間・最終報告会の発表方法(PM・学生別々→一緒に)はじめ,多くの工夫・改善が積極的に実施されている状況(PDCA)が認識され,素晴らしいと思いました.また,各プロジェクトの報告内容から企業から派遣されているPM・メンバである学生の方々の真剣な取り組みからも,評価者として身の引き締まる思いがしました.特に「半数以上のメンバ(学生)が継続して参加されておられるということ」,「3期目の今回は各プロジェクトの成果のレベルも『使って喜んで貰うシステム』等高くなっているところ」にこの教育の(特に学生への)有効性をみることができたと思いました.PM派遣を行っている企業側の人間としては,「若いリーダーのPM実践の場としての有効性」に期待したいと思います.多忙な業務を抱えた状態で週1のミーティング&メール等で初対面のメンバーを率いて,プロジェクトを成功に導くのは非常に難易度の高いマネジメント体験の場と認識します.困難な状況だからこそ,PMO,PMミーティングを積極的に活用し,実践し,多くの気づきを得て,現場で活かして欲しいと思います.